情報提供:小山地区自治会
2016.12.04

【小山地区】救護所運営訓練に参加

平成28年12月4日、日曜日、午前9時。

向陽小学校は緊迫した空気に包まれました。

震度7を記録する相模原直下型地震が発生したことにより、小山地区内に多数の負傷者が出たため、向陽小学校内に救護所が開設されました。

午前10時半を過ぎると、多くの負傷者が担架や車いすで次々に運び込まれました。

苦痛を訴える人達に対し、担当の医師達による真剣なトリアージが、次々に行われました。

「こんなに痛いのに、自分が軽症に判断されるのはおかしい。」と詰め寄る負傷者に、「大丈夫ですよ。しばらく安静にしていれば治りますからね。」と、優しく接する女医さん。

トリアージ決定後に様態が急変し、再トリアージを行った結果、緊急手術が必要になったと判断されたため、情報収集班へ救急車要請の伝令に走る消防署員。

首を損傷した人のために、災害用救急医療セットの中には含まれていない首の固定具を、骨折対応用のあて木を折り曲げて作った外科医師。

大きな災害を前に、自分のできることを精一杯やろうとする医療関係者、消防署員、市職員の方々が、小学校内を走り回りました。


緊迫した空気に包まれたというのは、上記のような実戦的な救護所運営訓練が行われたからです。



向陽小学校救護所としては、初めての運営訓練でしたので、トリアージの判定に時間がかかりすぎるとか、傷病者の搬送先のエリアが分かりにくいとか、いくつかの問題点は出ましたが、「経験(訓練)を繰り返すことでしか実戦には対応できない」という言葉を実感した日でした。


トリアージ:救命の可能性が非常に低い者よりも、可能性の高い者から順に救護、搬送、治療にあたるべきであるという考え方で、搬送優先順位、治療優先順位の決定を意味します。


全員を何とか救いたいという医師達の心根と、災害時の混乱の中での救命活動時に、一人でも多くの命を救うには何を優先すべきかという現実の間には、踏み越えざるを得ない勇気も必要になります。

救命の行動に関する訓練だけでなく、救命とは何かを問いかける心に関する訓練でもありました。


傷病者役を買って出てくれた、小山地区在住の20名の皆さん。

本当にお疲れ様でした。